FlaskでGoogle OAuthを実装する方法を詳しく解説!
2024年7月16日
こんにちは!
今回の記事では、FlaskでGoogle OAuthを実装する方法について解説したいと思います。
OAuthとは、「Open Authorization」の略で、サードパーティのアプリケーションがユーザーの代わりにウェブサービスにアクセスするです。
つまり、Googleのアカウントを使って、アプリケーションにログインできるようになるための実装です。Pythonのコードを含めて詳しく解説します。
FlaskでGoogle OAuthを実装する方法
Google OAuthを実装する方法は、以下の手順で進めます。
- Authlibのインストール
- Google API ConsoleでOAuth 2.0クライアントIDを作成
- ユーザーモデルの修正
- Flaskアプリの設定
- Googleログインルートの追加
- HTMLの修正
1.Authlibのインストール
まず、パッケージのAuthlibのインストールを行います。Google Oauthを実現するためのパッケージはいくつかありますが、AuthlibはGoogleに限らず、GithubなどのOauthも簡単に実装することが可能です。
以下のコマンドを実行して、インストールします。
pip install authlib
Authlibについてのドキュメントはこちらです。詳細を知りたい方はご覧ください。
https://docs.authlib.org/en/latest
2.Google API ConsoleでOAuth 2.0クライアントIDを作成
次にGoogle API ConsoleでOAuth2.0のクライアントIDを作成します。
コンソール画面に移動したら、「Oauth同意画面」へ移動します。
User Typeは「External」を選択します。
作成をクリックすると、アプリの情報を登録する画面へ移動します。ここで、アプリの情報を入力します。
・アプリ名・サポートメール・アプリケーションのホームページ・認証済みドメイン・ディベロッパーの連絡先の項目を入力します。
アプリのURLがない(開発環境)の方は仮で入力しておきましょう。
次に、「スコープを追加または削除」をクリックします。
基本的には、全てにチェックをいれて更新をクリックします。
残りの設定はそのまま進めます。
次に、認証情報から「+認証情報を作成」をクリックします。
「OAuth クライアントID」をクリックします。
次に、Oauthの名前とURIを設定します。
承認済みのJavascript生成元には、アプリのURLを入力します。以下の例では、本番環境のURLと開発環境のURLを2つ指定しています。
リダイレクトURIには、URLの後ろに/auth/callbackをつけます。
これで完了です。
保存をクリックすると、クライアントIDとクライアントシークレットが表示されるのでメモしておきましょう。
3.ユーザーモデルの作成
続いて、ユーザーモデルを作成します。ユーザーモデルはapp.pyかmodels.pyに記述します。
class User(db.Model, UserMixin):
id = db.Column(db.Integer, primary_key=True)
username = db.Column(db.String(150), unique=True, nullable=False)
email = db.Column(db.String(150), unique=True, nullable=False)
password_hash = db.Column(db.String(255), nullable=False)
@property
def password(self):
raise AttributeError('password is not a readable attribute')
@password.setter
def password(self, password):
self.password_hash = generate_password_hash(password)
def verify_password(self, password):
return check_password_hash(self.password_hash, password)
ユーザーモデルについては、ログイン実装時のモデルを参考にしてください。詳しくは、以下の記事で解説しています。
【関連】Flaskでログイン機能を実装する方法を解説【会員登録、ログイン、ログアウト機能】
Flaskアプリの設定
続いて、Flaskアプリの設定を行います。app.pyなどに記述しましょう。
from authlib.integrations.flask_client import OAuth
from authlib.integrations.base_client.errors import OAuthError
app.config['GOOGLE_CLIENT_ID'] = [クライアントID]
app.config['GOOGLE_CLIENT_SECRET'] = [クライアントシークレット]
oauth = OAuth(app)
google = oauth.register(
name='google',
client_id=app.config['GOOGLE_CLIENT_ID'],
client_secret=app.config['GOOGLE_CLIENT_SECRET'],
client_kwargs={'scope': 'openid profile email'},
server_metadata_url='https://accounts.google.com/.well-known/openid-configuration'
)
ここでは、クライアントIDとクライアントシークレットをapp.py上に記述していますが、環境変数(.envファイル)などに記述しても良いでしょう。環境変数の設定方法については、以下の記事で解説しています。
ログインルートの追加
続いて、ログインルートの追加を行います。ログインページとGoogleのログイン画面が表示されるようにします。
@app.route('/login', methods=['GET', 'POST'])
def login():
form = LoginForm()
if form.validate_on_submit():
user = User.query.filter_by(email=form.email.data).first()
if user and user.verify_password(form.password.data):
login_user(user)
return redirect(url_for('dashboard'))
else:
flash(_('Login Unsuccessful. Please check email and password'), 'danger')
return render_template('login.html', form=form)
@app.route('/login/google')
def google_login():
redirect_uri = url_for('google_auth_callback', _external=True)
return google.authorize_redirect(redirect_uri, prompt='select_account')
@app.route('/auth/callback')
def google_auth_callback():
try:
token = google.authorize_access_token()
resp = google.get('https://www.googleapis.com/oauth2/v1/userinfo', token=token)
user_info = resp.json()
email = user_info['email']
user = User.query.filter_by(email=email).first()
if user is None:
user = User(
email=email,
username=user_info['name'],
password_hash=generate_password_hash('default_password')
)
db.session.add(user)
db.session.commit()
login_user(user)
return redirect(url_for('dashboard'))
except OAuthError as error:
flash(f'Authentication failed: {error.description}', 'danger')
return redirect(url_for('login'))
上記の例では、/loginにアクセスすると、ログインページが表示されます。ログインページには、LoginFormを表示して、ログインに必要な情報を入力させますが、今回のGoogle Oauthにおいては不要です。不必要な方はLoginForm周りを削除してください。
HTMLの修正
最後にHTMLの修正を行います。Google Oauthをログインページに載せたいので、ログインページのHTMLに以下を追加します。
<a href="{{ url_for('google_login') }}">
Googleでログイン
</a>
ログインページで、上記のリンクをクリックすると、google_login()関数が実行され、Googleのログインページが表示されます。
以上で設定は完了です。
まとめ
今回の記事では、FlaskでGoogle OAuthを実装する方法について解説しました。
Webアプリでは、Googleアカウントでログインできると、ユーザーはスムーズにアプリを使うことができます。アプリの使いやすさ向上のためにも、OAuthの導入を検討してみましょう。
今回の記事がWeb開発のお役に立てれば幸いです。ここまでお読みいただきありがとうございました。
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